昨日の本と似たコンセプトの本ですが、こちらの本の舞台は京都限定です。
京都では、歴史学、地理学、文学を横断的に融合して京都を紐解く「京都学」の研究が立命館大学を中心に始められているということで、著者のおひとりである三枝さんも携わられているようです。
さすがに1200年都があった京都では、寺社や名刹だけではなくフツーの町並みの中にも歴史の息遣いを感じさせるモノがそこかしこにあることを、京都を訪れた経験のある方は皆さん感じられたことがあると思いますが、重要な歴史的な事象に纏わるモノだけでなく、かつて人々が暮らしていた息遣いみたいなモノもターゲットとされているようです。
ということで、割とマイナーというか重箱の隅をツツくみたいなところも無きにしも非ずですが、それだけにその頃の人々の暮らしを感じるように思えるのかも知れず、鴨川の氾濫に翻弄される様子や、実は秀吉の統治以前は京都でもキリシタンの人々が少なからずおられたなど、フツーの市井の人々の営みの痕跡について語られるトピックが多く取り上げられています。
なかなかそこら辺の町だと「学」を名乗るほどの研究領域にならないんじゃないかと思いますが、洛外までスコープを広げると、それこそ数限りなく研究対象があるようで、さすがの京都の奥深さを痛感しますが、この本を片手に京都をブラブラするのも楽しいんじゃないでしょうか!?