自分を整える/永松茂久

 

 

 『人は話し方が9割』が2019~21年まで3年連続でビジネス書のベストセラーとなり大きな話題をまいた永松茂久さんの著書です。

 

 サブタイトルで『手放して幸せになる40のこと』とありますが、日々我々は様々なしがらみに意識・無意識に捉われていると思うのですが、その「しがらみ」が意外な不幸の素となっているということが少なからずあって、「しがらみ」から逃れることによってシアワセになろうという趣旨の内容となっています。

 

 全体を通しての「幸せになるための3つの条件」というモノを冒頭で挙げられていますが、何らかの判断をする上で、

  ・自分がやりたいと思えるか?

  ・自分が楽しいと思えるか?

  ・自分にとってメリットがあるのか?

ということを問いかけて、基本的にはすべて「Yes」だったら実行するようにしようというモノです。

 

 往々にして我々はどれか「No」と思えるモノがあっても、例えば誰それが参加しろと言っているからとか、やっとかないと後で非難されそうだからといった、自分の人生に責任を取ってくれるワケでもない他人の目を気にして、イヤイヤなにかをすることが多々あると思うのですが、やったから/やらなかったからといって、その人がその後の自分の人生に大きな影響を与えることもないし、マイナスの影響を受けるようであれば、そんな関係は断ち切ってしまえばいいやん!?ということで、「精神的なコスパ」がプラスになるような行動にフォーカスしようというモノです。

 

 「精神的なコスパ」を意識して行動していれば、短期的にマイナスに見える行動であっても、長い目で見れば自分の成長につながったり、精神衛生上、ストレスがない生活につながったりということで、常に自分にプラスになるかどうかということを「精神的なコスパ」という尺度で判断することで、基準がシンプルになり決断がしやすくなります。

 

 また、買い物をする際でも、値段が高かったらあきらめてしまうこともあるかと思いますが、「精神的なコスパ」が上がるようであれば、極端な浪費でない限りは思い切って買った方が、その後、折に触れて買わなかった公開を繰り返すよりは、ずっとコスパが高いと言えるとおっしゃいます。

 

 ということで、自分に意識を向けるシンプルな判断基準を提示してくれているということで、割と自分に決断力がないなぁとか、周囲の人に振り回されがちな人は、是非是非、手に取って主体的なシアワセを取り戻すキッカケとしてもらいたいと思います。