「我がまち」からの地方創生/石破茂、神山典士

 

 

 地域の「まちおこし」について取材をしてこられたノンフィクションライターの方

が、初代地方創生大臣石破茂氏とともにコロナ禍以降の「地方創生」の動向を語られた本です。

 

 コロナ禍においては、オフィス勤務のシバリがなくなった人が地方移住をするという動きが一部にはありましたが、ホンのひと時の動きにとどまったということもあって、大きな地方回帰の流れにはならなかったようですが、それでも一定の影響はあったようで、多少の活性化につながったということはあるようです。

 

 というのも、どちらかというと受け身という印象が強かった「地方創生」の動きが、地元のどちらかというとシニア層が積極的に地域の「資源」を見出して、それを積極的にアピールしていくことで、その地域への訪問を促すという動きがみられるようで、そういった事例をいくつか紹介されています。

 

 例えば、全国に三万ヶ所あるといわれる山城を、そういったマニア的な人に訴求する動きがあったりとか、ローカル鉄道を中心に積極的に集客を促すような動きが印象的です。

 

 また、著名人の取り組みとして、「イナズマロックフェス」を主宰している滋賀県観光大使でもあるT.M.Revolutionこと西川貴教さんの取り組みについても詳しく紹介されていて、どこもがそういう著名人を輩出しているワケではないでしょうけど、地方創生に熱心な出身者を持つということはこの上ない「資産」となっていることを紹介しています。

 

 日本への訪問が複数回になっているインバウンド客の中には地方への訪問に興味を示す向きもあるようで、「地方創生」の動きをそういった傾向とリンクさせたら…などなど、かなり可能性は上がっていっているようです。