応援消費/水越康介

 

 

 近年、取り沙汰されるようになった「応援消費」という新しいタイプの消費行動について、その現象の概要を紹介した本です。

 

 「応援消費」の中には、2008年に開始して制度上紆余曲折がありながらも順調に支持を伸ばしているふるさと納税だったり、SDGsに積極的に取組む企業の製品を優先して消費しようとするエシカル消費など様々なスタイルが含まれるワケですが、そのコトバ自体が定着したのが、2011年の東日本大震災後に復興に取り組む東北地方の企業の製品を積極的に消費しようという動きから名付けられたのがその端緒だということです。

 

 元々日本では欧米と比較して、その税制面の整備の遅れや宗教観の違いもあって、寄付という文化がなかなか根付かないという状況がある中、社会貢献の欲求を満たすためのスタイルとして定着しつつあるようです。

 

 そういった中で、この本では企業側のマーケティングの在り方なども紹介されていて、カタチだけの社会貢献だけではなく、製品の生産や提供を含めた企業運営全体の中での社会性を評価するような動きもあるようで、そういう在り方の追求と、その訴求がより重要性を増して言っているということです。

 

 日本もこういうムーブメントをキッカケにもっと周囲にやさしい社会になっていけばいいなぁ、と感じます。