先日紹介した『官僚たちのアベノミクス』に続編が出ていることを知ったので、早速手に取ってみました。
正編はやたらキレイに描かれていて、ちょっと(かなり)イラッとしたのですが、さすがにその後の状況をそれほどキレイには描けないようで、アッという間にドロドロしてきます。
官邸が内閣人事局を立ち上げて官僚の人事権を握って官僚コントロールを強化させれて、安倍氏の財務省ぎらいを利用して官邸に入り込んだ経産官僚が財務官僚にマウントをしようと消費税増税の延期を画策し、安倍再登板のご祝儀でスタートアップ時にほんの少しだけ上がった株価と円高の是正をネタに企業に対して賃上げをゆするといったカタチで政策はどこへ…と思うようなチカラ技を展開しますが、物価はビクともしません。
結局、金融政策一本足での方策自体にムリがあるが故に、流動性の罠の中で無効だとうすうすわかっていてもやめることができずに、あれこれ裏ワザを通そうとするけれどもどうしようもないということで、日本の政界、官界の政策立案能力、遂行能力もここまで落ちたか…と嘆息せざるを得ない体たらくで、結局は根回し一本ですか!?ということのようです。
その割に敵対するモノがいなくなった安倍氏が調子に乗り始めるのはこの本のカバー範囲の後のことになりますが、結局自分の立場が安泰である限り、あまり社会の状況には興味が無かったのかも知れません。