箱根駅伝「今昔物語」/日本テレビ編

 

 

 まもなく大学駅伝シーズンですが、この本は大学駅伝シーズンのクライマックスを飾る箱根駅伝を放送している日本テレビが、放送内のCMに入る前に流している箱根駅伝「今昔物語」のエピソードを集めた本だということです。

 

 最近はCM前の数分流れるだけですが、かつて放送技術の関係で5区、6区で電波が届きにくい区間があり、そのつなぎで10分程度のロングバージョンも準備されていたそうです。

 

 割と古い時代のエピソードが多いので、ワタクシ自身箱根駅伝を熱心に見始めたのはここ10数年ということで、それほど知っている選手がいるワケではないのですが、戦時中や戦争直後などのエピソードで、戦地に赴く直前に箱根を走られた方の話や、戦中・戦後に渡っては知られた方の話など印象的なモノが多く取り上げられています。

 

 故障を抱えて大ブレーキとなりながらもタスキをつなぐために執念を見せたエピソードが多く紹介されていて、やっぱりそういう責任感みたいなモノが日本人は好きなんだな、ということですが、昨今は学生の将来も見据えていたり、レース全体のマネジメントみたいな考え方が進んだからか、あまり大ブレーキや途中棄権といったシーンを見ることはなくなったのですが、テレビ的にはそういうシーンを期待している!?と邪推したくなるほど、こういうところではネタにされるのが個人的にはあまり好きではありません。

 

 モチロン、ヒューマンドラマ的なとらえ方もアリだとは思うのですが、どうも日テレはそっちの方を主眼に置いているような気がして、放送してくれることはありがたいのですが、もっと競技そのものにフォーカスしてほしいと思うのはワタクシだけでしょうか…