下流老人/藤田孝典

 

下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 (朝日新書)

下流老人 一億総老後崩壊の衝撃 (朝日新書)

 

 

 経済的に問題を抱える老人たちのサポートをするNPOの運営に関わられている方が、老人の貧困の状況を紹介された本です。

 日本人って、生活保護を受けることに偏見があるようで、困窮していてもできるだけ受けたくないと思っている人が多いということと、受けている人に対する偏見も見受けられるようで、それが貧困を助長する一因ともなっているようです。

 でも経済的に息詰まるということは、誰にでも偶発的に起こりうるもので、自身の浪費とか怠惰な生活態度が原因となっている人の割合はむしろ少なく、急な大病や、親の介護のために離職を強いられるとか、離婚の慰謝料の負担など、誰にでも起こりうることをきっかけに、安定した生活がいきなり暗転するということが多いようです。

 そういう状況に陥らないためには、社会保障の制度をちゃんと把握しておくことと、地域などのコミュニティとちゃんとコンタクトをしておくことなど、意識的に取組む必要があるようです。

 

体温を上げると健康になる実践編/齋藤真嗣

 

体温を上げると健康になる 実践編

体温を上げると健康になる 実践編

 

 

 昨日紹介した本の、まさに実践編です。

 本編でもエクササイズの方法なども紹介されているのですが、どうやって体温を上げるようにすればいいかということについて、さらに具体的に紹介されています。

 有酸素運動の具体的な進め方も紹介されているのでさうが、驚いたのが体幹トレーニングのところで、ワタクシ自身マラソンに向けたトレーニングのために体幹トレーニングの情報を集めているのですが、そういうのって健康維持のためにも役に立つんだな…とミョーにナットクさせられました。

 日頃の取組も詳しく紹介されているので、本編と一緒に、是非!

 

体温を上げると健康になる/齋藤真嗣

 

「体温を上げると健康になる」

「体温を上げると健康になる」

 

 

 アンチエイジングを専門とする医師の方が紹介する健康法についての本です。

 タイトル通りの内容なのですが、最近はストレスのために平熱が低い人が多く、それが多くの弊害をもたらしているということです。

 ストレスだからしょうがないと思う人もいらっしゃるかと重いんすが、齋藤先生によると自ら招いているストレスもあるということで、特にクスリの服用による薬害ストレスと言うのもあるようです。
 
 で、どうやって体温を上げるかと言うと、基本的には筋肉量を増やそうということで、ウォーキングなどの有酸素運動を積極的に行おうということを奨められています。

 その他食べ物とか生活習慣に関することとか、平熱を上げて健康体を維持しようとするヒントが満載なので、なんとなく体調が思わしくないと言う人にとっては福音の書となるかも知れません。

 

 

ピーター流外国語習得術/ピーター・フランクル

 

ピーター流外国語習得術 (岩波ジュニア新書)

ピーター流外国語習得術 (岩波ジュニア新書)

 

 

 かつてよくメディアにも登場されていたハンガリー出身の数学者兼大道芸人ピーター・フランクルさんの著書です。

 ピーターさんは専門である数学の講義ができる程度に扱える外国語が11ヵ国語、そこまでいかないまでもそれなりに使えるインドネシア語を含めると12ヵ国語を話すことができるということで、そのノウハウを紹介されます。

 と言っても具体的な方法論というよりも、取組む姿勢みたいなところを語られています。

 方針として1つの言語を身に付けるためには、ある程度の短期間に集中的に取組むようにすることが重要なようです。

 その際にも「楽しんで」取組むことが上達の秘訣のようで、ピーターさんの場合には美女がモチベーションの重要なファクターだったということで、やっぱり恋愛って、コトバを習得する上で、かなり大きな位置を占めるんだなぁということを改めて認識した次第です。

 日本人がなかなか外国語を習得できないのは、どうしても外国語を「お勉強」として捉えてしまうことがあり、楽しんで身に付けようということが広まって行けば、もうちょっとマシになるんじゃないかな、という気はするのですが…

 

「都市」の世界史/出口治明

 

グローバル時代の必須教養 「都市」の世界史

グローバル時代の必須教養 「都市」の世界史

 

 

 独自の切り口で世界史を語る本を多く出版されている出口さんが、今回は「都市」を切り口に世界史を語られます。

 これまでの著書で「旅」の重要性を語られてきた出口さんらしい切り口だと思いますし、この本の中で出口さんが紹介されたようなこともアタマに置いた上でこれらの都市を訪れたら、より旅が豊かなモノになるんだろうな、と思わされます。

 北京やニューヨークなど、一部の都市はワタクシ自身も訪れたことがあるのですが、あれってこういうことだったのか!と思わされることが満載です!

 残念ながらワタクシ自身の世界史の知識が乏しいこともあって、十全にこの本の魅力を味わい尽くすことはできなかったのですが、改めてもうちょっとマジメに世界史の知識を身に付けた上でこの本に戻って来たいなと思わされます。

 

路地裏の資本主義/平川克美

 

 

 起業家でもあり、喫茶店のマスターでもあり、大学でも教鞭を取られるという異色の経歴の持ち主が「路地裏」目線から経済を語ります。

 経済だけに止まらず、昨今の強者ばかりがトクをする風潮を嘆かれるワケですが、過度に進化した資本主義故の弊害と絡めて語られます。
 
 当初、資本主義を提唱した経済学者たちは、資本主義を突き詰めると、欲求が満たされた「定常状態」となり経済が成熟するということなのですが、資本主義は相当成熟しているはずなのですが、そういう行きついた感はなくて、当時の経済学者の人間の欲望に対する見積もりが甘すぎたとしか言えないですよね…それにしても、そういう「足るを知る」ということが重要なんじゃないかな、と思うのですが…

 

地形で読み解く「真田三代」最強の秘密/橋場日月

 

地形で読み解く 「真田三代」最強の秘密 (朝日新書)

地形で読み解く 「真田三代」最強の秘密 (朝日新書)

 

 

 大河ドラマ真田丸」放映直前に出版された本のようで「真田三代」とありますが、大坂の陣での信繁(幸村)の奮戦以外のところは、ほとんど昌幸の事蹟を追ったモノです。

 「地形」とタイトルにありますが、それに終始するワケではなく、真田の名を後世に響かせることとなった真田丸を舞台にした幸村の闘いと、二度にわたり徳川の大軍を撃退した上田城での戦いに「地形」上の共通点があり、その「共通点」と言うのが、昌幸が薫陶を受けた武田信玄のノウハウを受け継いだものだったということです。

 こういう風にあらゆる要素を味方にできるように知略を尽くした昌幸の姿はカンドーものですよ!