非常識マラソンメソッド/岩本能史

 

 

 サブタイトルが何とも刺激的なマラソン本です。

 著者の岩本さんは、ご自身が100km以上のウルトラマラソン
を中心に活躍されている現役のランナーでありながら、市民
ランナーの指導も行われていて、サブ3.5以上のハイレベルな
ランナーを数多く育てられている方です。

 このサブタイトルで触れられている“ヘビースモーカーの
元キャバ嬢”のアイさんが、国際レース参加資格を獲得する
までのプロセスに沿って、“正しく”トレーニングすれば、
サブ3.5さらにはサブ3といった、市民ランナーにとって
は、夢のような成果を出せるということです。

 でも、岩本さんのおっしゃる“正しい”メソッドというの
は、これまで市民ランナーの間で“常識”とされていたこと
からはかけ離れていることから、“非常識”とおっしゃられ
ているんだと思います。

 ただ、市民ランナーの間で語られる“常識”というのが、
実業団ランナーなどのトップ選手の指導から導かれたものが
ベースになっていることが多く、必ずしも市民ランナーに
とって妥当なモノなのかどうか、ということに疑問を差し挟
まれています。

 そこで、250km近くを走るウルトラマラソンなど、極限まで
追い込む経験から、市民ランナーが効率的に成果を上げる、
新たな“常識”となるべきメソッドを紹介されていて、冷静
に考えてみるとナットク度の高い内容となっています。