シンガポールで見た日本の未来理想図/花輪陽子

 

 

 ファイナンシャルプランナーで、以前はテレビのコメンテーターとしても活躍されていた方がダンナ様の転勤に伴ってシンガポールに移住し、そのまま定住されたということで、シンガポールの社会・経済の状況や、シンガポールの人々の暮らしなどを紹介された本です。

 シンガポールは建国の父リー・クワンユーが一党独裁政権の中、かなり緻密な計画の下で経済圏が形成されて言っているということで、世界中から投資が集まるような環境を作り上げているということです。

 経済的なことだけでなく、人材への投資という位置づけで教育にも注力しており、日本では国家予算の5.5%が教育関連に向けられているのに対し、シンガポールでは2割以上もの投資をされており、その結果、世界中から優秀な人材が集まってきています。

 ただかなり早期からエリート層への選抜は始まっており、大学への進学率は3割程度ということで、それぞれの適性に応じた職に就くということが徹底されているようで、そういうところも世界トップクラスの生産性の高さにつながっているのかも知れません。

 国家の規模や政治形態などの観点から日本がシンガポールの成功要因をそのまま摸倣できるワケではありませんが、参考にしてもらいたいモノが盛りだくさんでした。