D.カーネギーの成長力

 

D・カーネギーの成長力

D・カーネギーの成長力

 

 

 自己啓発書の草分けとも言える、デール・カーネギーの『道は開ける』や『人を動かす』と言った書籍のエッセンスから、テーマごとに役立つ内容を取り上げると言ったモノで、この本のテーマは「成長」です。

 「成長」をする上で、すべての基盤をなすのが「自分を信じる」ということで、それがなければ、あらゆる意味で成長を期待できないということです。

 「自信」を持つことが、何らかの行動につながり、そのための情熱につながり…ということで、すべての基盤につながるということです。

 ということで、根拠はなくても「自信」というのは、間違いなく「成長」の基盤になるようです。

 

 

さかなクンの一魚一会

 

さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!~

さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!~

 

 

 さかなクンが「さかなクン」になるまでの自叙伝です。

 この本でも強調されていますが、さかなクンの今日があるのは、一重にご家族の理解があったからなんだなと、つくづく思わされます。

 さかなクンは幼少の頃から、好きになったものにはまっしぐらで、それ以外のモノが見えなくなる傾向が強かったようで、学校のセンセイなどから、あまりにもサカナばかりに入れ込んで、学校の勉強が疎かになっているのを注意されたようですが、お母さまはガンとして、さかなクンのやりたいようにさせたということですが、中学校の子供を持つ親としては、とてもマネができないことだなあ、と感嘆させられます。

 それで、希望だった水産大学に進めなかったという挫折はあるものの、好きなことを貫き通した結果、逆に水産大学で教鞭をとるまでになるという大逆転劇を実現したのは、ご家族全体での成果だったんだな、と感じます。

 自分の子供にそこまでスキなことが見つかったら、世間一般の尺度でブレーキをかけるのが望ましいとは言えないんだなぁ…とちょっとフクザツな想いのする内容でした。

 

林修の仕事原論

 

 

 「今でしょ!」の林センセイの「仕事」論です。

 林センセイは、別に好き好んで予備校やテレビの仕事をしているわけではないのですが、だからと言って、「結果」を残さなければ「仕事」をしたとは言えない、その「結果」というのが、お客さんや上司といった周囲の関係者を如何に「満足」させるか…それができないのは、あくまでも自分のせいだとおっしゃいます。

 そういう周囲の人を「満足」させるためには、如何にその人たちの求めるものをしっかりと注視して、それを満たすために周到な準備をするか、ということだということです。

 自分がどんなにリッパなことを考えていても、相手が満足してくれなければ、全く意味のないことで、そういう独りよがりな仕事の仕方をキビシく戒められています。

 林センセイ自身も、そういう風に周囲の期待に応えてきたからこそ、今自分に相応しいと思える「書く」と言う仕事に恵まれてきつつあるとおっしゃいます。

 意外とこういう観点で「仕事」論を展開する本ってなかった気がするので、結構身に詰まされる気がしました。

 

アンガーマネジメント入門/安藤俊介

 

アンガーマネジメント入門 (朝日文庫)

アンガーマネジメント入門 (朝日文庫)

 

 

 何冊か著書をこのブログでも紹介している、安藤さんですが、どうやらこの本の元になったのが処女作のようです。(加筆して文庫化されたものです。)

 基本的に書かれていることのアウトラインはこれまで紹介してきた本と、あんまり変わらないのですが、個人的にはこの本が一番分かり易いかな、と思います。

 というのも、アンガーマネジメントの考え方自体を順を追って紹介されているのですが、それぞれのフェイズにおいて、身近に感じられるように「怒り」への対処で失敗したシーンが描かれており、その時にどう対処すればよかったのかについて、アンガーマネジメント的なレクチャーが行われているので、非常に分かり易いモノとなっています。

 割とどの本も大枠の内容としてはそんなに変わらないので、文庫本でもありますし、アンガーマネジメントについて知りたいなら、この1冊がおススメです。

 

期待はずれのドラフト1位/元永知宏

 

 

 『Number』で取り上げられていたので手に取ってみたのですが、どうやら中高生位をターゲットにしたと思われるジュニア文庫の1冊でした。

 「期待はずれ」とありますが、この本で取り上げられているのは、メジャーも経験した多田野だったり、ひと頃は巨人のくろーざーを務めた河原だったり、どん底の時代の阪神のエースの藪だったりと、それなりの実績を残された人が多いのですが、まあ、ドラフト1位だともっとできただろ、と言われると「期待はずれ」とされても仕方がないのかな、という…まあ、中高生にほぼ無名の選手の、ただただダメダメな苦労話を聞かせても…とことなんですかね…

 ただ、この本の価値と言うのは、ドラフト1位で華やかにプロ入りしたにも関わらず、当初思ったような成果を上げることができずに挫折を越えて、そこそこの成果を上げたというところにとどまらず、引退以降のセカンドキャリアについても取り上げられていることだと思います。

 イタリアンレストランのオーナーシェフをしている元横浜の水尾投手とか、IT企業に勤務している元ソフトバンクの江尻投手とかが紹介されているのですが、ただ元プロ野球と言うだけでなく、ドラフト1位と言う同世代のプロ野球選手としてはトップクラスの評価を受けた彼らが一時は挫折を味わい、それを超えてプロ野球選手であり続けたということが、その後の人生にも活きているということを啓蒙するということで、中高生に取っても意義深い本だといえるのでしょう。

 

僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版/瀧本哲史

 

僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫)

僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫)

 

 

 マッキンゼー勤務を経て、兄弟で教鞭をとられている方の著書だということですが、この本ってフルバージョンの方が2012年のビジネス書対象を受賞されたということですね。(って、そんな賞があったんだ…)

 最近モノが売れない…それは大量生産大量消費時代のコモディディ化した商品が売れないということなんですが…ということを聞くようになって久しいのですが、最早人材と言う“商品”も例外ではなく、労働市場グローバル化の洗礼を受ける中、人材も“コモディディ化”してしまっては、安く買い叩かれることになってしまったということで、そうならないための「武器」を身に付けてもらおう、というのがこの本の趣旨です。

 少なくとも現時点で、曲りなりにう「売れる」スキルとしてこの本の中で、

  1. 商品を運んで売ることができる人(トレーダー)
  2. 専門性を高め、高いスキルで仕事する人(エキス
   パート)
  3. 商品に付加価値を付け、市場ニーズに合わせ売る
   ことができる人(マーケター)
  4. 全く新しい仕組みを生み出せる人(イノベーター)
  5. 起業しリーダーとして行動する人(リーダー)
  6. 投資家として市場に参加する人(インベスター)

を挙げられています。

 結論から言うと、インベスターになろうというのがこの本のおススメなのですが、どうしても日本では投資家というのに、元々いいイメージが無くて、一時期のファンドの暗躍がそれに火を注いでしまった側面はあるのですが、当然社会的な意義は大きいということで、インベスターたることを啓蒙されます。

 ただ、多分この本は大学生や若いビジネスパーソンをターゲットにされていると思われるのですが、そういう人たちが、いきなり投資家になろうとしても、そんな元手を調達できる人は、そうはいないでしょう…というツッコミはあるのですが、そういうインベスター視点を以って仕事をすること自体が、かなり強力な「武器」になるということのようです。

 

50歳からの出直し大作戦/出口治明

 

50歳からの出直し大作戦 (講談社+α新書)
 

 

 出口さんによる、シニア層の起業のススメです。

 この本の構成としては、シニア層の起業が求められるという社会的な背景と、実際に起業されたシニア層の体験談を出口さん自身がインタビューを行い、それを元に改めて起業に向けたエールを送るというカタチで、そこそこの数が出ているシニア層向けの起業本としては、ありがちなモノなのです。(まあこれはおそらく編集者が求めたものなんでしょうけど…)

 なのに、ありがちなシニア向けの起業本と比べて、圧倒的に“深み”が違うんですよね…これはやっぱり出口さんの経験のなせる業なんでしょうか…

 自分の経験を活かすとか、好きなことを仕事にするというオーソドックスなモノなので、リタイア間近の方々が、その後の生活に希望を持てるというか、そういう本ですので、希望が見いだせない、該当する年代の方、是非ご一読のほどを!