100問の実践ドリルでサッカーIQが高まる/篠幸彦

 

100問の“実戦ドリル

100問の“実戦ドリル"でサッカーIQが高まる

 

 

 いつも一緒にサッカー観戦に行く、サッカーのプレー経験がある友人から、プレー経験のないワタクシにはちょっと難しいかな、と言われつつ借りた本なんですが…

 初級・中級・上級それぞれ30問、さらにはそれを超えたレベルの超級10問ということで、W杯やチャンピオンズリーグ、ヨーロッパ各国のリーグにおける得点シーンを題材に、あるシチュエーションからどのように攻略してゴールに至るのかを応えるというカタチで構成された本です。

 ワタクシはというと、初球のレベルから製糖できるのは1/3以下で、友人の言う通りワタクシにとってはレベルの高すぎる本だったのですが、観戦をしていて記憶のあるプレーも含まれていたので、そういうことだったのか!と目からウロコの連発でした。

 さすがに上級編以降は答えを見ても、意図が複雑すぎて理解できないのがほとんどだったのですが、この本で見た“意図”を実際の観戦でも体感して、サッカーIQを挙げていきたいものです。

 

アイデアの接着剤/水野学

 

アイデアの接着剤 (朝日文庫)

アイデアの接着剤 (朝日文庫)

 

 

 NTTドコモの“iD”やユニクロアートディレクションを手掛けられたことで知られる方が“アイデアの出し方”について語ります。

 ワタクシども一般人はアイデアを“出す”という言い方をしますが、水野さん自身は未だかつてアイデアを“生み出した”ことは一度もないとおっしゃられていて、アイデアの素となる“アイデアのかけら”を貼り合わせてくっつけるという言い方をされます。

 『考具 ―考えるための道具、持っていますか?』の加藤さんなどクリエイターと言われる人たちの多くはアイデアは既存のアイデアの組合せみたいなことをおっしゃるのですが、水野さんも同様のようです。

 だからアイデアが出せないというのは、そもそもアイデア出しの考え方が間違っていて、如何にしてアイデアのかけらを見つけて、それをどうくっつけるかということで、そういう発想をし易くするための方針やコツをこの本でいろいろと紹介されています。

 でもそれも特別なことをするのではなく、ちょっと常識的なことを疑ってみるとか、好奇心のアンテナをちょっと高くしてみるとか、ホンのちょっとしたことを少し意識と視点を変えてやってみるだけで、驚くほどアイデアが出てくるようになるようです。

 今までもこういう企画に関した本を読んできましたが、この本が一番肩のチカラが抜けていてよかったかも…

 

誰が音楽をタダにした?/スティーブン・ウィット

 

誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち (ハヤカワ文庫 NF)
 

 

 日本人だとあんまりこのタイトルにピンと来ないのかもしれませんが、10年位前欧米人の友人はFTPサイトにアップロードされた音楽をパソコンから直接流していて、CDにお金を払うなんて!?と言っていたのを思い出します。

 そういった状況を生み出すに至った、音楽ファイルの圧縮技術の進化や、発売前のアルバムをいち早くFTPサイトにアップロードしようとするシンジケート、そしてそれに対応する音楽を供給しようとする側のせめぎ合いを描いた小説です。

 多分かなりノンフィクションに近いものがあるようで、かなりの緊張感をもって描かれているのですが、ここまで打算的にアーティストの活動を蔑ろにするっていうのは、ちょっと日本では考えにくいところがあって、実際あんまり日本ではFTPサイトからの
音楽の取得と言うのは欧米、特にアメリカほどには広まらなかったようです。

 最早音楽産業においてCDを売って収益を上げるというのは、少なくともアメリカではビジネスモデルとしては成り立たなくなってしまって、ライブやロックフェスなどにシフトしていっているようですが、それだと提供できる範囲が限られていることから、一発デカいのを当てるということが不可能で、そうなると音楽を志す人自体が減ってジリ貧になってしまわないかと…

 

まかせる力/新将命・高田明

 

まかせる力 (SB新書)

まかせる力 (SB新書)

 

 

 ジャパンネットたかたの前社長高田さんが、自身が私淑されていたという「伝説の外資トップ」新さんと、事業継承や権限移譲について語られます。

 新さんによると、社長が次のトップを指名するというのは結構マズいことだということで、というのも自分がオイシイ思いを続けることができるような人を選んでしまいがちだということで、アメリカでは後継者の選抜において社長を除いたコミッティーみたいなものを設ける企業もあるようです。

 そんな中でジャパンネットたかたにおける事業継承は稀に見る理想的な形態だったようです。

 高田さん自身が息子さんを後継者に指名したということで、私物化的なイメージを持つ人もいるかと思いますが、高田さん自身は一切会社とは関わりを断って、JリーグのV・ファーレン長崎の社長をされていて、ジャパンネットたかたでは時折現社長に聞かれたことに応える程度だということで、会社に恋々としがちな日本のビジネスパーソンとは一線を画しています。

 ただスッパリと関わりを断つのが必ずしもいいことではないようで、ゴーイングコンサーンとしての会社のアイデンティティを保った上での継承が必要とされており、そういう意味でも、会社の理念を“生きた”ものにするというこれまでの努力があったからこそスムーズな継承につながったようです。

 “まかせる”ことの難しさは多くの人が実感されているとは思うのですが、自分の信念、相手への関心ということが重要なポイントとなるようです。

 

誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法/白濱龍太郎

 

1万人を治療した睡眠の名医が教える 誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法

1万人を治療した睡眠の名医が教える 誰でも簡単にぐっすり眠れるようになる方法

 

 

 睡眠専門のクリニックの院長をされている方の著書です。

 ワタクシ自身、不眠と言う程ではないのですが、寝つきがあまり良くなかったり、睡眠が浅くて夜中に何度か起きたりすることから、睡眠に関する本を読むことが多いのですが、大体書かれていることは大雑把にみるとそんなに差が無くて、何を一番強調されるかと言うことが、その本のウリだったりします。

 この本では寝る前に3分位行うストレッチがウリで、それをすることでかなり睡眠の質が向上した方がいらっしゃるということで、試してみる価値はありそうです。

 まあ、自分にあった方法を見つけるまで、8割はムダだとわかりながら、こういう本を手に取り続けるんでしょうね…(笑)

 

専業主婦は2億円損をする/橘玲

 

専業主婦は2億円損をする

専業主婦は2億円損をする

 

 あの橘さんが女性の幸福について語ります。

 ターゲットを若い女性に絞っているからか、いつもの橘さんの、明るいテーマを語られていてもどこか拭い難い“闇”を感じさせるところが、この本では希薄です。

 あとがきでこの本を書かれた経緯を紹介されているのですが、編集者からこのテーマを持ちかけられて「なぜ私が専業主婦の話を書くんですか?」と戸惑われたということなのですが、ネットで「専業主婦になって3億円をドブに捨て…」と橘さんが書かれていたのを見た編集者が食い下がって出版に繋げたということです。

 同じくあとがきで書かれているのですが、この本は前作の『幸福の「資本」論」を女性向けにカスタマイズされたモノだということで、高度成長期時代を陰で支えた専業主婦が最早幻想であるということが指摘されて久しいなか、それでも未だに専業主婦を志向する女性がいるということで、様々な側面からどうやって生きて行くのが女性に取ってシアワセなのかということについて考察されます。

 自己実現がどうやったら可能なのかということについて、もっと自由に考えていい空気が、少しずつではあるけれども広がりつつあり、自分自身でもどうなったらシアワセなのかということについて、ツッコんで考えた方がいいんじゃないかということと、パートナーとそういうことを共有することの重要性を同時に指摘されています。

 “働き方改革”は企業寄りの時代に逆行するようなモノになりつつありますが、社会をどう動かして行けば多くの女性がシアワセになれるのか、ということがひいては少子化対策につながるんじゃないのか、ということをこの本を読んでいて感じました。

 

 

私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな/ジェーン・スー

 

 

 先日紹介した二村ヒトシさんの対談集『淑女のはらわた 二村ヒトシ恋愛対談集』に登場していたジェーン・スーさんにオモシロそうな著書があるということで手に取ってみました。

 ジェーン・スーさんはこの本を出された時に40歳にして独身だということなのですが、その10年前にやっぱり独身の友人たちと、なぜ結婚できないんだろうということを列挙したのがこの本の元となっているということです。

 この本を読んでいると、ジェーン・スーさんと周囲の結婚できない条件を列挙した友人たちを含めて、決して男性と縁がないワケではなくて、どっちかというと恋愛体験は豊富だということが伺えるのですが、それでも最後の一線を越えることができないのはナゼなんだろうというとで101の類型を紹介されているのですが、これが男性のワタクシからしてもミョーにナットクさせられる鋭い視点で捉えられていて、さすがは「未婚のプロ」達だなぁと唸らされます。

 でも、これを読んでいるとオトコの立場としては、相手が百戦錬磨の「未婚のプロ」だからそう感じるのかも知れませんが、ガキと言うか人間出来てないなぁと言うか…男性側の未熟さをイタイほど感じさせられます。
 
 まあ、それを笑って受け入れられる女性がプロポーズされるのか、と言うことなのかも知れませんけど…(笑)