社会を動かす企画術/小山薫堂他

社会を動かす企画術 (中公新書ラクレ)

社会を動かす企画術 (中公新書ラクレ)

 薫堂さんが、「東京スマートドライバー」という首都高速の交通事故
削減キャンペーンを機会に、巻き込んだ人たちのショートエッセイを
含めた本です。

 「企画=サービス=思いやり」というモットーを軸に話が進んでいく
のですが、そもそも、このキャンペーンは運転の際に、それぞれのドラ
イバーがほんの少しの「思いやり」を持つことによって、交通事故を
減らしていこうというものです。(何と、首都高での事故原因の首位
が、「譲り合わなかったため」なんだそうです。)

 じゃあ、「思いやり」というのをどういう風に醸成していくか、と
いうことで、また薫堂さんお得意のいろいろなアイデアが出てきます。
 まあ、言ってみれば、目の前の対象物を他人事にしない、というこ
とで、何らかの形で愛着を持ってもらおう、ということです。

 あと、このキャンペーンで薫堂さんに巻き込まれた人たちのショー
トエッセイがふんだんに掲載されているのですが、あまり他の人の
エッセイって感じがしません。
 すごい、巻き込み力だなあ、と思いました。