「1秒!」で財務諸表を読む方法【企業分析編】/小宮一慶

「1秒!」で財務諸表を読む方法(企業分析編)

「1秒!」で財務諸表を読む方法(企業分析編)

『「1秒!」で財務諸表を読む方法』も本編、【実践編】ときて、
この【企業分析編】も手にとって見ました。

 特に、リーマンショック後のトヨタや、破綻に至るJALなど、著名な企業
が苦境の時に、それがどのような形で、財務諸表に現れてくるのか、と言うこ
とを中心に、生々しい実例を以って語られています。

 そんな中で、教科書的な見方とは異なる、現場でのモノの見方というのも、
実際の著名企業の財務諸表の現物を題材に語られているので、結構、細かい中身
と言うか、個々の数字のメカニズムは難解なんですが、大きな流れが理解しやす
くなっています。

 例えば、企業の安全性を見るのに、とりあえず、流動比率とか当座比率を見
ることになるんですが、教科書的にいうと100%以上ということになるんですが、
100%をはるかに下回っても、あんまり安全性に問題の無い業種があったりとか、
資本回転率が高いからと言って、必ずしも会社として安全か、と言うと、必ず
しもそうではない、というところとか…

 個人的に一番興味深かったのが、同じ業種であっても、資本構成とか、業態
とかと言った違いが、顕著に財務諸表に現れてくるところを紹介しているとこ
ろですかね。

 まあ、これを細かく理解するのは難しいかもしれないんですが、大まかな
トレンドを理解できるようになると、結構面白いと思いますよ。