「本物の営業マン」の話をしよう/佐々木常夫

「本物の営業マン」の話をしよう (PHPビジネス新書)

「本物の営業マン」の話をしよう (PHPビジネス新書)

 先日、「監訳」本を紹介しましたが、今度こそ佐々木さんご自身の著書です。

 元々、佐々木さんは、企画部門でキャリアを積まれてきて、営業勤務はわず
か2年だということなんですが、その限られた中でも、社内の「営業の達人」
に極意を聞いて回られて、こうあるべき、というスタンスを確立されたよう
です。

 この本の中の冒頭に近いところで、「営業」と「販売」の違いについての話
をされているのですが、日本企業では、「営業」というと、ほぼ「販売」に近
いニュアンスで語られることが多いのですが、佐々木さんは、それを否定され
ていて、「営業」とは文字通り「業を営む」ことであり、もっと大所高所に
たって、経営に近いスタンスを加味することが、本当の意味での「営業」だと
おっしゃいます。

 その上で、会社を経営していくということの目的の一つとして、「お客様
を幸せ」にするということがあり、「営業」は、その目的と直結したもので
あるべきで、すべての活動をそこに収斂していく必要があると説かれています。

 そういう意味において、売らんかなの姿勢や、顧客に迎合する姿勢といった
「営業」としてありがちなスタンスを否定されており、もっと高い視点を持た
ないといけない、ということのようです。

 ワタクシ自身、営業職の経験がないので、いわゆる日本企業的な「営業」の
スタンスを詳しく知っているわけではないのですが、むしろ佐々木さんのおっ
しゃられる「営業」の方がすんなり腑に落ちる感じがしました。