心を操る文章術/清水義範

心を操る文章術 (新潮新書)

心を操る文章術 (新潮新書)

 文章を書く際に参考になるかな、と思ったのですが、まあ、確かに役立つと
いえば役立つのですが…

 「心を操る」というのは、読み手にこういう感情を持つように仕向けると言
う感じで、「笑わせる」「泣かせる」「怖がらせる」「怒らせる」「和ませる」
文章の特色を、作家や新聞記者、ライターといったプロが書いた文章を題材に
指摘されています。

 さすがに、「笑わせる」文章のパートは、清水さんの独壇場で、御自身の文章
を大事に、「笑わせる」ポイントを事細かに書かれています。

 それに比べると、「泣かせる」はまだいいのですが、後のパートに行くに従っ
てトーンダウンして行っている感じで、「怒らせる」文章については、「そんな
文章を書くべきでない!」という全否定にまで至っております…(笑)

 コレじゃマズイと思われたのか、最後の「和ませる」では少々立て直しておら
れますが、ひょっとしてこの本、企画当初は「笑わせる」文章術だったのでは?
と勘繰りたくなったりします。(笑)