新潟発アイドルNegiccoの成長ストーリーこそ、マーケティングの教科書だ/川上徹也

 

 

 川上さんの“ストーリー・ブランディング”本の、今回の題材は“地方発
アイドル”です。

 AKB48のマーケティング手法というのは、結構ビジネス本の世界でも話題
になっていますが、この“地方発アイドル”というのが、“ストーリー・
ブランディング”的には格好の素材のようで、元々この本は様々な“地方発
アイドル”に“ストーリー・ブランディング”的マーケティングのケース
スタディを見出す、といった趣旨で企画が始まったようなのですが、川上
さん自身が、新潟発アイドルのNegiccoにハマッてしまった結果、Negicco
単体での出版になったということのようです。

 最近のアイドルブームで、地方発のアイドル“ロコドル”の人気もなかな
か高いようですが、ただ単に距離の近さだけが支持される理由じゃないん
だなあ、ということが伺えます。

 もちろん“距離の近さ”が重要な要素ではあるのですが、歌やダンスのス
キルを上げたり、ファンとの交流を積極的にしようというひたむきな姿を
見せて、文字通り「ファン」になってもらうための努力とともに、地方発
ということでのいろんな意味での“逆境感”が“ストーリー・ブランディン
グ”的だなあ…と感じます。

 これをビジネスにも…ということで、これまで川上さんが紹介されてき
た“ストーリー・ブランディング”の成功例を紹介していますが、ちょっと
蛇足というか興を削がれるというか…敢えて入れなくても良かったんじゃな
いですか?という気がしました。