「ストーリー・ブランディング」で知られる川上さんの本ですが、今回は「ブランディング」ではなく、敢えて「マーケティング」なんだそうです。
以前類似と思えるコンセプトで本田直之さんが『パーソナルブランディング』を提唱して、翻訳書を出版されていましたが、川上さんが敢えて「ブランディング」としなかったのは、どうしても「ブランディング」という語感に、身の丈以上の「盛った」見せ方につながってしまうようなところがあるということで、等身大の自分を「知ってもらう」という意味で「マーケティング」にされたということです。
ただ、「等身大の自分」を知ってもらうというのがなかなかに難しいことで、さらに「売り」になるような自分の「長所」を見つけることを事例を踏まえて紹介されており、なかなか興味深いとことです。
そういう「自分マーケティング」の格好の事例としてAKB48における成功事例として、指原莉乃さんと川栄李奈産の事例を取り上げられています。
当時一世を風靡したアイドルグループということもあって、指原さん自身、ちょっとはイケてるんじゃね!?と思っていたという自信を、周囲の選りすぐられたルックスのアイドルたちに完膚なきまでに叩きのめされて、「ヘタレ」というアイドルらしからぬ、また長所とはいいがたい「売り」でのし上がり、次第に持ち前のトーク力やオヤジ誑しぶりで押しも押されぬスターとなった経緯を紹介されています。
スゴい人たち中で如何にして一歩抜きんでるのかというのが『ジャニーズは努力が9割』をちょっと思い出させましたが、スゴい人の中にいるのは、自省するという意味ではピンチでチャンスなのかも知れません。
多くの人にとって、自分では大したことじゃないと思っていても、業界外の人などからみると垂涎のスキルだということもあり、周囲から見た自分の姿を知ること自体が、相当な武器を手に入れるための第一歩となることが多いようで、この本でそういう武器が手に入るのかも知れませんよ!?