売れないものを売る方法?そんなものがほんとにあるなら教えてください!/川上徹也

 

 

  「ストーリーブランディング」の川上さんがこのタイトルで本を 「ストーリーブランディング」の川上さんがこのタイトルで本を書いて欲しいと編集者から言われた時に、そんなものをがあるんだったら、自分が教えてほしいモノだとおっしゃったということを冒頭で紹介されていますが、商品を一切変えることなく、“売り方”を変えることで売上を伸ばす方法を紹介して欲しい、しかもマーケティングの専門的な用語を遣わずに…と言われて川上さん自身に火が着いたようです。


 川上さん自身、反省とともにおっしゃっているのが、原理的というか、これまでの著書では理論が先行した内容のものが多かったということで、単純に“何をしたら売れるか?”ということにフォーカスした内容になっています。


 で、何をしたら売れるか?ということについて、ある程度商品のクオリティが高いという前提で、試してみるべきこととして、


   1.「ウリ」を変える

   2.「売る時間」を変える

   3.「売る場所」を変える

   4.「売る人」を変える

   5.「売る値段」を変える

   6.「売る方法」を変える

   7.「売る目的」を変える


ということで、7つに分けて「売る」方法を、メディアなどで紹介されたなじみのある方法も含めて紹介されています。


 一応、マーケティングの専門用語を避けた上でということなので、最初はおっしゃっていませんが、実はこの7つというのが“5W2H”というフレームワークに沿っていて、それぞれ、


   1.「ウリ」を変える → What

   2.「売る時間」を変える → When

   3.「売る場所」を変える → Where

   4.「売る人」を変える → Who Whom

   5.「売る値段」を変える → How much

   6.「売る方法」を変える → How

   7.「売る目的」を変える → Why


に該当するということです。


 確かに「ストーリーブランディング」は魅力的な手法ではあるのですが、何のサポートもナシに、何のリソースもない中小の店舗でそれを実行するのは、結構ハードルが高いなぁとは感じていたのですが、この方法だと、この本で紹介されている切り口でああでもない、こうでもないと考え抜けば、何らかの成果は得られるんじゃないかという希望が湧くんじゃないかと思います。


 確かにブレイクを果たした『物を売るバカ2 感情を揺さぶる7つの売り方 (角川新書)』以前も含めて、素晴らしい著書をモノにされてきた川上さんですが、個人的には最高傑作かな、と思います。


 最近このブログでは編集者の安易なクソ本を垂れ流すことをディスることが多かったのですが、この本に関しては編集者の方のクリーンヒットを称えたいところですね!?