『オシムの言葉』の木村さんの著者ループが始まっています。
この本は、やたらとどの漢字にもルビを振っているところか
らして、小学生を含めて、ストイコビッチやオシムに興味を持
ったサッカー少年に、“民族”と言うものを知ってもらいたい
と思って書かれた本のように思えます。(ルビは振っていなが
ら、やたら難解な熟語を多用しているところはちょっと矛盾し
てたりしますが…)
『オシムの言葉』にも描かれていたように、1990年のイタリ
アW杯での崩壊寸前の、オシム監督率いるユーゴスラビア代表
として、ストイコビッチを始めとして、ボバンやサビチェビッチ
プロシネチキ、ミヤトビッチといった天才たちを擁しながら、
母国の崩壊に瀕して、十全にそのチカラを発揮できないような
状況に追い込まれ、果てには、共に闘ったチームメイトたちと
バラバラの国に別れて、それぞれが血で血を洗うことになると
いう運命に見舞われる様子が描かれています。
それが“民族”という甚だ根拠の疑わしい概念に囚われた為
政者たちの意図に翻弄された結果だということを思うに付け、
そのバカバカしさが残念でなりません。
そういうバカバカしさを、サッカーに興味を持った若い人達
にも覚えておいて欲しい、そういうことなんだと思います。