理不尽に勝つ/平尾誠二

 

理不尽に勝つ

理不尽に勝つ

 

 

 ある意味、平尾さんらしくない本です。

 平尾さんが世界一キライな人は、星一徹なんだそうです。

 というのも、ああいう風に理不尽に子供に自分の考えを押し付
けたら、スポーツに必要となる想像力が奪われてしまうから、と
言うことなんだそうですが、じゃあなぜ、平尾さんが“理不尽”
についての本を書かれるのか…

 世の中理不尽なことだらけで、可能な限り理不尽なことが無け
れば、いろんなことがスムーズに進むのに…と日々悩むのですが、
だからと言って、そうなってしまえば、問題を解決するために試
行錯誤するプロセスがなくなってしまい、それはそれで、理不尽
を乗り越える“想像力”が養われなくなってしまう、ということ
です。

 特に、子供の成長にとっては、親が理不尽なことを取り除いて
あげてしまうと、いざ、親の手を離れた時に、その子供が直面す
る“理不尽”を乗り越えられなくなってしまう…

 ということで、“理不尽”というのも観点ひとつで変わるもの
であり、ああでもない、こうでもない、とそのプロセスを楽しみ
ながら乗り越える努力をして、結果として人間として成長して
行こう、ということのようです。