話す!聞く!おしゃべりの底力/堀尾正明

 

話す! 聞く! おしゃべりの底力 日本人の会話の非常識

話す! 聞く! おしゃべりの底力 日本人の会話の非常識

 

 

 NHKで、オリンピック中継や紅白歌合戦の司会を務められた
後、フリーになられたアナウンサーの堀尾さんの「おしゃべり」
のコツに関する本です。

 タイトルが、かつてNHKで堀尾さんが司会をされていた番組
にひっかけられていますね。

 NHK在勤時から、NHKのアナウンサーらしくないなあ、と思っ
ていたのですが、こういう志向があったからなんだ、とナット
クさせられる本です。

 アナウンサーって、どうしても決められた内容を正確に話す
ということが第一義になるので、ややもすれば堅い印象を持っ
てしまいがちですが、堀尾さんの場合、如何に伝えるか、とい
うことを強く意識されていたことが、こういう本につながるの
でしょう。

 よく日本人は、「おしゃべり」、特にパブリックスピーチが
苦手と言われますが、ただ単に訓練が不足しているという事情
もあるのですが、この本で堀尾さんが強調されているのは、伝
える相手に関する意識が希薄な人が多いのではないか、という
ことです。

 日本人のハイコンテキストなコミュニケーションスタイル故
か、なんとなく自分が話していることを分かってもらえるんじ
ゃないだろうか、という甘えがあるのでは、とおっしゃられて
いるような気がします。

 ということで、如何に相手の属性や状態を意識して話すこと
が、「伝わる」ことにつながるのか、ということを面白おかし
く、でも論理的に話されていて、興味深い内容ですので、是非
ご一読の程を!