大人の読解力を鍛える/齋藤孝

 

大人の読解力を鍛える (幻冬舎新書)

大人の読解力を鍛える (幻冬舎新書)

  • 作者:齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2019/09/26
  • メディア: 新書
 

 

 「読解力」とタイトルにありますが、この本ではそのコトバを、相手の言っていることを正しく理解するといった広い意味で捉えされていて、そういったスキルを鍛えるための読書法について紹介されています。

 皆さんの周囲にもコッチが意図していることと全く違った受取り方をする人っているんじゃないかな、と思うのですが、実はちょっとした言い回しの違いや受け手のバックグラウンドによってコトバの受取り方というのは様々になってしまうということで、自分が話す時にも、如何に自分の意図が相手に正確に伝わるようにするかを意識しておかないといけないんだな、と思わされます。

 そういったスキルを鍛えるためには、やはり読書が有効なようですが、以前に紹介した『読書する人だけがたどり着ける場所』でも触れられていた、読書を「自分事」にしてみることで、様々な立場や見方を意識した上での理解ができるようになるということです。

 特に小説に出てくるキャラクターを自分の周囲の人になぞらえて意識すると、よりその効果が高まるようです。

 さらには齋藤センセイの代表作でもある『声に出して読みたい日本語』で提唱されている音読をすると、登場人物の心象風景を自分で再現するようなキモチになるということで、より「自分事」化の精度が高められるようです。

 最近はスマホを触ってばかりで本を読む人が減っているということですが、そうなると段々と日本人も細やかな気配りができる人が減って行ってしまうのかな、と考えさせられました。