ラグビー知的観戦のすすめ/廣瀬俊朗

 

ラグビー知的観戦のすすめ (角川新書)

ラグビー知的観戦のすすめ (角川新書)

 

 

 元ラグビー日本代表キャプテンで、TBSのラグビーを題材にしたドラマである『ノーサイドゲーム』で俳優として好演したことでも知られる廣瀬さんが、ラグビーワールドカップの楽しみ方を紹介した本です。

 主に、あまりこれまでラグビーを見てこなかった「にわか」の方を対象にしているのかな、と思うのですが、色々と丁寧に説明しようとするがあまり、布巻選手をイメージしてもらえればって、「にわか」ファンの人は布巻選手なんて知りませんから!といっ
た場面はあるものの、そもそもラグビーというのがどういうスポーツなのかとか、ラグビーの歴史、各ポジションをありがちなキャラで紹介されていたりとか、ワールドカップに出場するチームの紹介だとか、ワールドカップを楽しむための情報を網羅されています。

 ワールドカップの時に、ノーサイド精神(って言われているのは実は日本だけらしいのですが…)で、敗者も勝者を称えるといった“紳士”なところが取り上げられていましたが、それは元々サッカーがプレーをする際に仕事を休まなければならない場合の代償として休業補償を支払っていたのに対し、ラグビーは頑なに休業補償を拒否して庶民を排除してきたことがあるということが興味深かったです。

 また「にわか」がメインターゲットと思われるとはいったものの、姫野選手がワールドカップで何度も決めて話題になったジャッカルがどういうものなのかというものを、これは多分プレーしていた人じゃわからない細かいプロセスを紹介されているところもあって、非常に参考になりました。

 ワールドカップを楽しむためが目的ではある本ですが、今後もこの本を参考にトップリーグや大学の試合とか、ラグビーの試合を実際に見に行ってください!