くだらないシャレがタイトルになっていますが、タイトルから受ける印象とは異なり、かなり深遠なテーマの本です。
メッシというのが「個」を優先する考え方の象徴で、滅私が「組織」を優先する考え方の象徴として…というのがこのタイトルの由来なんだそうです。
で、この「個」と「組織」のいずれが優先されるかということは、エイジーニョさんによると、キリスト教か、それ以外の宗教の信者か、という観点から切り分けようとされています。
そういう風に切り分けると、サッカーの世界では、W杯を優勝したことがあるのは、キリスト教国のみであり、3位までに広げたとしても、キリスト教以外が支配的な国は2002年の日韓W杯で3位になったトルコだけなんだそうです。
そういう状況を見ると、「個」を重視するキリスト教的な考え方がサッカーを強くなるために必要だということになるのですが、特にアジアの国々と、キリスト教国との根本的な考え方の違いは、
・上下関係の有無
・自己責任
・専門性
だとおっしゃいます。
日本サッカーが海外のサッカーと触れる中で、その3つを中心とした「個」と「組織」の「文明の衝突」といったカタチで描かれていますが、ムチャなはめ込みだと最初は思っていたのですが、ホントにそうかも…と思わせるパワーのある本です。
サッカーに纏わる文明論としては、かなり秀逸な本ですので、フザけたタイトルにメゲずに手に取ってみてください。