キレイゴト抜きの就活論/石渡嶺司

 

キレイゴトぬきの就活論 (新潮新書)

キレイゴトぬきの就活論 (新潮新書)

 

 

 就活関連を多く手掛けるフリーライターの方の著書です。

 2017年1月出版されたのですが、割とプレーンに就活の“現状”を紹介しようという趣旨で書かれたモノで、学生側、企業側のスタンスがビビットに描かれます。

 多くの企業が公式には、学歴にはこだわらない姿勢を表明していますが、実はセミナーのエントリーにも大学名が影響しているのではないか、という状況がメディアでも紹介されていますが、ホントは企業側も大学名にこだわらず有能な学生を採用したいと思っていても、なかなか実際の能力を評価しようとする手間を考えると難しいところがあって、シグナルとしてわかりやすい大学名に頼ってしまう現状があるようです。

 学生側としても、会社の名前だけにこだわり過ぎる傾向が強く、どうかんがえても難しい大企業にエントリーして玉砕するということを繰り返していることが、無用に挫折感を積み重ねてしまっているという側面もあるようです。

 あとは、学生側の社会人慣れということにも言及されていて、ビビらずにちゃんと対応しようとすれば、チャンスが広がるということでバイトなんかで鍛えてもらいたいところです。

 最後に、そんなに名前は通っていないかもしれないけど、優良な企業が紹介されていますので、そのためだけでもこの本を手に入れる価値があるかも知れませんよ。