アホ大学のバカ学生/石渡嶺司、山内太地

 

 

 3日連続で石渡さんの大学本です。

 

 2012年に出版されたこの本は、2008年出版の『最高学府はバカだらけ』の続編と言える内容で、タイトルは前作同様人を食ったモノですが、内容は前作と異なり、関係者を揶揄するようなトーンは控えめになっていて、大学経営の苦難が大きくクローズアップされたモノとなっています。

 

 前作で取りざたされていた「大学全入」ですが、少子化で学生数は減少し続けている中で、大学の募集定員が増加し続けているということで、少なからぬ大学で定員割れが常態となっているということで、そんな状況でどのようなカタチで経営を維持していくかという苦闘が紹介されています。

 

 『就活のバカヤロー』でも紹介されていた就活の手厚いサポートや、目先の変わった専攻分野をアピールしたりと、次から次へと施策を繰り出しては行くモノの、成功したら、そのシリからマネをされるということもあって、なかなか長期的に独自性を維持することは困難なようで、有効な学生数増加につながっていないようです。

 

 そういう苦闘は名門とされてきた大学でも例外ではないようで、早稲田大学のような超名門であっても、就活支援はモチロン、入学後の学習サポートや悩み相談といったキメ細やかな学生サービスを実施しているということで、涙ぐましいとさえ思えてしまいます。