最強の働き方/ムーギー・キム

 

 

 グローバル・コンサルティングファームで世界中の優秀な人々と働いてこられた著者が、トップクラスの人材になるための77の「働き方」を紹介した本です。

 そのトップクラスの、というのは別に一流大学を卒業しているとか、大企業に勤務しているとかというワケではないんだけれども、こういうことを習慣としていればトップクラスの人材になれる、というモノを紹介されています。

 対象となる読者もグローバルビジネスの場でバリバリと活躍されている方から、地方の中小企業で悶々としている人まで、あらゆる「働く人」に手に取ってもらいたいということで「雲の上の理想」を語るのではなく「坂の上の現実」を語られたということをあとがきで紹介されています。

 ということで最初の方には「時間を守る」という、おおよそほとんどの社会人がフツーに守っているであろうことも含まれていて、章が進むにつれて段々と要求事項のレベルが上がっていくようにデザインされていて、高度なビジネススキルも無数の基本的なスキルをベースに成り立っているんだということを思い返させられます。

 最終的には「やりたいこと」×「できること」×「社会に要請されること」が一致したところで働けるようになることを目標とします。

 正直、個々のスキル項目はビジネス系の自己啓発本でありがちな内容なのですが、それらをこういう構成で提示したこと、時にマジメに、時にユーモラスに、グイグイ読み進められるように構成されたことで、類書から群を抜いた存在になっているんじゃないかと感じます。

 あらゆる働く人たちがターゲットになっているとおっしゃいますが、やっぱりこれからを背負っていく若い人たちに是非手に取ってもらいたいと感じる本です。