幸福の「資本論」/橘玲

 

  あの橘さんが「幸福」を正面から論じます。 あの橘さんが「幸福」を正面から論じます。
 いつもの橘さんだと目を背けたくなるような“現実”を圧倒的な情報量と論理展開で直視せざるを得ないようにされる印象があるのですが、この本は橘さんにしては明るいトーンで淡々と、でもいつものように「ロジカル」に幸福を語られます。


 この本での「幸福」の定義づけということで、3つの要素として、
  1.自由

  2.自己実現

  3.共同体=絆

を挙げられていて、それに必要な「資本」として、
  1.金融資産

  2.人的資本

  3.社会資本
を挙げられて、それぞれの「資本」について詳しく紹介されます。

 この3つが揃った「スーパー・ハッピー」という状況が理想ではあるのですが、それぞれの「資本」が並び立たない状況が多いので、基本的にはあり得ないということで、如何にして各資本の多く手にしていくかということですが、結局人間というのは「社会的」存在なので社会資本をそれなりに持っていれば、それなりにシアワセに思えるということのようです。
 ただ、その社会的な位置づけをどう取るかということについて、近年かなり多様化してきているということもあり、自分なりの「幸せ」を考えるのにいいキッカケとなる本なのかもしれません。