昨日に引き続き横尾忠則さんの書評集で取り上げられていた本を紹介します。
「世界のホームラン王」王貞治さんがご自身の野球人生を振り返った本なのですが、今やソフトバンクホークスの会長としてのイメージが強い方の方が多いのかもしれませんね…
でも、ワタクシ自身は一番野球を見ていた時の最大のスターが当時の“巨人の4番”の王さんだったのです。
よく知られているように王さんは中国籍で、今に至るまで中国国籍を持ち続けて、色々と偏見や挫折などの苦難があったはずなのに、そういったことはおくびにも出さずに、自分は運が良かったとさいさんおっしゃいます。
確かに、一本足打法を共に練り上げた荒川コーチとの出会いなど、運命的な出会いと言う幸運があったのは確かなんでしょうけど、それを引き寄せるのに十分な努力をされていたのも確かなのではないでしょうか…
この本の中で王さんがおっしゃっていたことで一番印象的だったのが、WBC第一回大会で、9割方敗退と言える状況まで追い詰められていたにも関わらず、アメリカがメキシコにまさかの敗戦を喫して、そこから日本がよみがえって優勝を遂げたことについて「神様にお願いするばかりではいけないけれど、僕らを見ていてくださるという思いは大事です。」とおっしゃっていたのが、王さんの野球人生を象徴されているように思いました。
あのイチローが、あれだけ王さんに傾倒したのがよく理解できた気がしました。