小学校社会科の教科書で、政治の基礎知識をいっきに身につける/佐藤優、井戸まさえ

 

 

 佐藤優さんと井戸まさえさんの対談本がもう1冊あったので手に取ってみました。

 タイトル通り小学校6年生の社会の教科書の公民を取り上げている下巻に沿って政治制度のレクチャーをされます。

 意外とオトナでも日本の政治制度をちゃんと把握していない人が多いようで、ニュースで聞くビミョーに裏側的なトピックの本来の姿がわからないが故に歪んだ理解をしてしまうリスクがあって、ちゃんと基本に立ち返ることがニュースを理解する上で重要なようです。

 中学校や高校の教科書だと言い回しが難しいだけで、小学校6年生の教科書でも主要なトピックは概ね網羅されていて、かつ平易な表現であることから、振り返りには最適なようです。

 ということで“表”の制度面を理解した上で“裏”である実態面を把握することで、政治のメカニズムを理解することだということですが、憲法9条の解釈の問題、1票の格差の問題、世襲議員の問題などの日本の政治上のトピックを、制度面の解説をした上で紹介されているので、よく理解できます。

 憲法改正論議も出てきていることから、こういうところを振り返っておくことも必要なのかも知れません。