昨日に引き続き築山センセイの本です。
これまで築山センセイの本は、脳の機能不全や痴呆症の防止と言ったディフェンシブな内容が多かったのですが、今回は如何に脳を活性化し、持てる能力を十全に引き出して成果を出すか、というアプローチになっています。
脳科学関係の本を読んでいると、元々脳はモノグサで、すぐにサボろうとする傾向が強いと書かれているモノが多いのですが、どうもそれが定説なようです。
能力を最大限に引き出そうとするということは、脳があまり働かなくても“直感”的に求める答えを引き出すといったことのようで、自分が必要とする分野でそういった境地に至るための方法を紹介されています。
ある分野について真っサラな状態から達人に至るまで、3つの段階に分けてそのアプローチを書かれているのですが、そのいずれの段階においても「読む」「書く」「話す」ことが“達人”への道だということで、それぞれの段階における3つのアクティビティの差異を明らかにされます。
段々と脳が働く度合いが減っていくワケですが、そのためにもコアとなる知識だけでなく、周辺状況や条件など幅広い情報集を如何に効率よく行って、整理し、発信し続けることで、ちょっとした何かを手掛かりを得ただけで、その後の展開が予見できる“達人”の領域に達することができるようです。
そういう境地って、ごく限られた一部の天才にしか許されないと思っていましたが、脳を鍛え上げることで、凡人たるワタクシたちにも可能性があるということで、大いに勇気づけられる本でした!