頭は「本の読み方」で磨かれる/茂木健一郎

 

 

 脳科学者の茂木センセイが読書を通じた脳力開発を語られた本です。

 

 ご自身もかなりの読書家のようで、夏目漱石を「文学界のディフェンディング・チャンピオン」と称して、アツく語られて推奨されています。

 

 本を読むことで「『知識の地層』が自分の中に形成され、何が起こっても応用が利く『頭の良さ』を手に入れることができる」とおっしゃっていますが、瀧本哲史さんが『読書は格闘技』で語られたように著者に闘いを挑むとか、齋藤孝センセイが『孤独を生きる』で語られていたように本を通じて歴史上の人物に友情を感じるなど、本とのコミュニケーションみたいなものを図ることでより深まるようで、このブログの主要なターゲットとなっている実用書は、脳を磨くという意味ではあまり役に立たないようです。

 

 そういう自己啓発的な内容だけではなく、ちょっとムズカシ気な本を敢えてカバーをつけずに持ち歩いて、カッコをつけるといった具合でファッションとして扱ってみるなど、軽めのスタンスのアプローチも紹介されているところが茂木センセイらしいなぁ、ということで、あまり読書に縁のない方がキッカケとして手に取ってもらうのに格好の本かも知れません。