脳科学者の茂木センセイが、ポジティブの権化とも言えそうな松岡修造さんとポジティブについて語られます。
「ポジティブの権化」と表現しましたが、実は修造さんは元々かなりネガティブなキャラだということで、メンタルトレーニング等を経て、敢えてポジティブな押し出しをすることで、パフォーマンスを上げようとしたのが、素のキャラだと思われるようになったということです。
ただ、茂木センセイによると、ポジティブな感情とネガティブな感情というのは表裏一体のモノなんだそうで、ネガティブな感情がポジティブな感情に火をつける燃料とも言える役割を果たすようで、単純にネガティブな感情を排除すればいいというモノではないんだそうです。
そんな中でポジティブに転換するスイッチともなる様な手段を様々紹介されているのですが、修造さんは現役時代、試合中などでテンパった時にお祖母さまの顔を思い浮かべられていたようで、ウィンブルドンでベスト8になった時にもマッチポイントで壮絶なプレッシャーに襲われた時にお祖母さまの顔を思い浮かべたことを紹介されています。
茂木センセイの著書と言うと、キラリと光る一言を発するものの、構成がトッ散らかって、結局本全体で何を言いたいかよくわからないということが多いのですが、この本では、暴走癖のある修造さんとの組合せということもあって、割とカッチリと構成を企画されていたのか、かなりまとまっている印象があり、なかなかの読み応えでした。