『暮しの手帳』の編集長を務められ、数々の自己啓発的なエッセイの執筆でも知られる松浦さんが、50歳になられたのを機にまとめられたオトナとしての矜持ともいうべき内容のエッセイです。
この本が出版されたのが2017年ということなので、松浦さんは、ほぼほぼワタクシと同年代ということになるので、非常に参考にすべきところが多いはずなのですが、あまりの立場の違いにひるんでしまう自分がいるのもまた正直なところです。
まあ、そういうのは置いといて、やはり50歳まで生きてくると、知らず知らずのうちに色々と不要なモノも含めて身についてしまっているところがあり、今後、流されていくのではなく、自分がナットク行くような人生を送ろうとすると、切り捨てて行った方がいいモノも多いようです。
そういう意味で、自分のコアとなる部分を見極めて、ある程度その先に進むにあたって、ジャマになりそうなモノをそぎ落としていった方がいいところも多々あるようで、そういう見極めが、後々の充実のためには重要になるようです。
ただ、同じところに留まっていては、それはそれで先が見えてしまってオモシロくないということで、何か少しずつでも、今までになかったものを取り入れていくことも、充実した人生には必要だということで、そういう柔軟性は失ってはいけないようです。
50歳になって、気力や体力の衰えを感じる人も多いと思うのですが、そんな中で不必要なモノをそぎ落としたり、新たなモノを取り込んでいくのは億劫なことも多いとは思うのですが、メリハリをつけながら、時折ちょっとペースを落とすこともありながら、自分のペースで進んでいくことを意識すれば、割とこなしていけそうだということで、少しずつ自分の今後の生活にも取り入れていきたいところが多く見つかりました。
巻末に、本文には特に言及のない「10の質問」というのがあるのですが、「おとなのきほん」を守る上で大事に思えたので、備忘録代わりに記しておきます。
1.それはほんとうに、今より少しでも良い解決方法でしょうか?
2.それはほんとうに、「困った」「もっとこうしたい」の新しい答えでしょうか?
3.それほほんとうに、お金を払ってでも、知りたい、得なことでしょうか?
4.それはほんとうに、貴重な時間を費やしてでも、必要なことでしょうか?
5.それはほんとうに、とてもかんたんで、わかりやすく、今すぐにできることでしょうか?
6.それはほんとうに、よく知っている、親しみのある、身近なものでしょうか?
7.それはほんとうに、最も愛する人へ向けたものでしょうか?
8.それはほんとうに、世代を超えて、たくさんの人と、分かち合えるものでしょうか?
9.それはほんとうに、面白くて、楽しくて、新しいことでしょうか?
10.それはほんとうに、人を幸せにすることでしょうか?