新100のきほん/松浦弥太郎

 

 

 『暮しの手帳』の元編集長として知られ、数々のエッセイで知られる松岡弥太郎さんが、ご自身の生活と仕事上でのルールをそれぞれ100+α紹介された本です。

 

 これまでも生活面では『おとなのきほん』、仕事面では『松浦弥太郎の仕事術』といった著作がありますが、この本ではそれぞれの在り方について100項目ずつ+新たに付け加えた20項目の、ご自身に課したルールを紹介されています。

 

 松浦さんというと、かなり”丁寧な生き方”ということが印象にありますが、生活上にしても仕事上にしても、お客さんなど接する相手をいかに喜ばせるとか、信用してもらえるとかといったことに、かなり細かい習慣に落とし込んで自己規律とされています。

 

 自己啓発書の中には、如何に「べき」論を排除するのかが、自由になったり、シアワセになったりする秘訣だとおっしゃる向きもありますが、そういう「べき」論というのは、世間体だったり体裁だったりに縛られることを指していることが多いような気がしますし、松浦さんのように自分があるべき姿を求める上での自己規律としてのルールに従うことは、逆説的ではありますが、ある意味ラクになれる要素もあるんじゃないかな、とも思えて、巻末に「あなたの『100のきほん』のつくり方」と題して、100項目の枠が設けられているのに、すこしずつマイルールを積み上げていこうかな!?という気もします。