ひとりでいることみんなとすること/松浦弥太郎

 

ひとりでいること みんなとすること

ひとりでいること みんなとすること

 

 

 3日連続で松浦さんの本ですが、今日の本は一昨日紹介した『40歳のためのこれから術』と『愛さなくてはいけないふたつのこと あなたに贈る人生のくすり箱 (PHP文庫)』を前者からは「共感」、後者からは「孤独」に関するトピックを取り出して再編成し、サブタイトルにあるように『孤独と共感のバランス練習帖』ということになっています。

 

 だったらこれだけ読んだらよかった…とちょっと思ったのですが、かなり『40歳のためのこれから術』からは端折られていて、結構カンドーした部分が割愛されていたりもしたので、まあ、よかったかな、という感じです。

 

 『40歳のためのこれから術』において、40歳以降は何らかの形で世間に「与える」ことをやっていきたいということをおっしゃられていましたが、それは必ずしも世間にいい顔をしたいからとかと言うのではなく、自分というモノが求められるところで最大限貢献するという意味で、自分を曲げてまでそれをやっても仕方がないといったようなことをおっしゃいます。

 

 冒頭で松浦さんが一人で仕事を始めた頃にお父様に言われた「味方が欲しかったら、敵を作れ」という一見矛盾したような言葉を紹介されていますが、それっていうのは八方美人的に誰にでもいい顔をしようとしていたら、いつか化けの皮が剥がれて、誰もいなくなってしまいかねない…それなら、自分を支持してくれる人のために、自分の立ち位置を鮮明にしておくことが重要なんじゃないか、とおっしゃられているように感じます。

 

 自分の旗幟を鮮明にするということは、必ずそれに反対する人がある程度はいるはずだということで、それはそれでツラい目に合うこともあるでしょうけど、その分、リアルな自分を支持してくれる人もいるかもしれないということで、より密接なつながりを持つことができ、その人に対して実のある貢献をできるんじゃないかということです。

 

 松浦さんは著書の中で再三、「目の前のことを一生懸命こなす」と言ったことをおっしゃいますが、それ自体もきっと自分なりの色を出すことになるんでしょうし、そういうモノを愛してくれる人にこそ、喜んでもらえると自分も嬉しくなって、人生が充実していくのかも知れません。