これからの世界をつくる仲間たちへ/落合陽一

 

これからの世界をつくる仲間たちへ

これからの世界をつくる仲間たちへ

  • 作者:落合 陽一
  • 発売日: 2016/03/28
  • メディア: 単行本
 

 

 先日紹介した堀江さんとの共著『10年後の仕事図鑑』で落合さんがおっしゃられていることが印象に残ったので、著書を手に取ってみた次第です。

 

 結論から言うと、ここ数年で読んだ本の中で一番いろいろと考えさせられた本でした。

 

 いろいろと自己啓発本ってあると思うのですが、個人的にはここまで根源的に個人の思考レベルというか、生き方というか、在り方というか、そういう深い部分を問う内容の本はなかったように思えます。

 

 堀江さんとの共著でもそれっぽいことはおっしゃっていましたが、そもそも個人として、自分が自分にしかない価値を蓄積していけば、確実に何らかのカタチで求められるようになるはずだということで、それが人間相手の競争であれ、相手がAIになったとしても、変わりはないでしょ、とおっしゃれたかったのかな、と思います。

 

 そういう意味で、小手先レベルのスキルを身に付けることにはさして大きな意味があるワケではなく、英語が喋れるとかプログラミングを身に付けようとかというのではなくて、自分の中で「暗黙知」を淡々と積み重ねていくことが、そういういつの世でも求められる人になるための手段だとおっしゃいます。

 

 そういう「暗黙知」を積み重ねた上で、じゃあどういう方向へ進むのかと言えば、ありがちな成功本とかだと、”自分の好きなことをする”となるんでしょうけど、落合さんはそれだと漠然としてしまいがちで、終わりなき「自分探しの旅」に出かけてしまいかねない(笑)んで、そうじゃなくて、「自分が解決したいと思う小さな問題を探せ」とおっしゃいます。

 

 そんなで”成功”につながるのか!?と思うかもしれませんが、そういう”問題解決”の中には、従来では不可能だったり、莫大な資源が必要なモノだったりするのですが、昨今の科学技術の進化の中で、意外とカンタンに解決できるようになるかも知れないモノもあるんじゃないかということで、自分の中でそういう問いを続けていれば、何かそういうモノが一つくらいでてくるんじゃないかな、ということなのかも知れません。

 

 まあ、50歳を過ぎたワタクシなんかが、こういうことを今さら考えるのは色んな意味で難しいのかも知れませんが、これから社会に出ようとするような人たちはこういう思考を心がけておくことで、周囲の環境に左右されないようなモノを身に付けることができるんじゃないかと思います。