0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書/落合陽一

 

 

 3日連続で落合さんの本です。

 

 これまで紹介してきた本でも、今後の日本における教育の変革の必要性と、教育の重要性について再三強調されていた落合さんですが、この本は教育に特化した本です。

 

 これまでは会社に入るまで(下手したら大学に入るまで!?)勉強すればいい人も少なからずいたんじゃないかと思うのですが、「人生100年時代」と言われる昨今では、『LIFE SHIFT』でリンダ・グラットンさんがおっしゃっていたように、キャリアをスイッチする際に一旦学びのフェイズを経ることが多くなることが想定され、ホントに一生学ぶ必要があるということが現実になりつつあります。

 

 そんな中で、できれば子供の頃から、目の前の様々な事象について自分のアタマで考えて、自分なりのコトバで表現できるような訓練をすることの重要性を説かれます。

 

 どうしても我々、特に高度経済成長期以前の教育を受けてきた層にとっては、「学ぶ」ということが知識を得ることに偏ってしまいがちですが、「知っている」ことにさしたる価値がなくなってしまった現代では、それよりも「学び方」や「考え方」を身に付けるための教育を充実させることが、自分なりの「考え」を持つことにつながるとおっしゃいます。

 

 また「価値を生み出す」ことができるような人材になるために、今後は「STEAM教育」にチカラを入れていくべきだとおっしゃいますが、元々日本の教育界でも取り沙汰されていた、「Science(科学)」「Technology(技術)」「Engineering(工学)」「Mathematics(数学)」の頭文字をとった「STEM教育」に「Art(アート)」を加えたモノなんだそうです。

 

 従来、大学入試の受験時に文系・理系を大別してきた弊害で、STEM教育が”理系”のモノになってしまうのですが、そこでArtを媒介にすることによって、”文系”の人にも受け入れられやすいモノにするということもありますし、アートを言語化するといった取組も含めて、より自分なりの考え方にしていくといったことも実現できると言ことです。

 

 というのも、あまりにもこれまでの教育が「思考力」を蔑ろにしてしまったという部分があるんでしょうし、自分なりのポリシーのないモノは結局空疎なモノになってしまうということなんでしょうかね!?