平畠啓史Jリーグ54クラブ巡礼

 

 

 スカパーのJリーグハイライト番組でMCをされていた方が紹介するJリーグ観戦の愉しみ方です。

 とは言いながらこの本あまりサッカーのことは出てこなくて、2018シーズンにJリーグだった54チームについて、最多タイトルを誇る鹿島だろうがJ3の経験しかないチームだろうが公平に4ページずつ割り当てて、それぞれのクラブを取り巻く状況なんかを紹介されています。

 各クラブで選手を紹介しているところも、代表的な選手とかっていうワケではなく、原則としてJリーグでの初得点をあげた選手を紹介するということで、相当なサッカー通であってもすべての選手を知っている人は少ないだろうなぁ、と思わされます。

 まあわざわざスタジアムに行って観戦しようと思う人って、多少はサッカーに興味がある人だろうし、せっかくわざわざスタジアムにまで足を運ぶのであれば、スタジアムグルメだったり、近辺の飲食店や名所・旧跡だったり、そのクラブの名物DJだったり、そういったサッカーそれ自体以外も含めてスタジアムでの観戦を楽しもうということを推奨されています。

 各クラブを紹介される中でクラブ関係者ではない人たちの関わりにも触れられているのですが、そういう人たちにとってサッカーは日常で欠くことのできないものとなっていて、正にJリーグが発足当初に目指していた、サッカーを文化にするといったことが少しずつですが実現していることの証左だと思います。

 2018年はJリーグが発足して25年でしたが、Jリーグの隆盛とともに日本代表も確実に強くなって行きましたが、それよりもサッカーが人々のシアワセに多少なりとも寄与していること自体が、サッカーに多少なりとも関心がある者の一人として、こういう本が成り立つようになったキセキを嬉しく思う次第でした。