弱くても稼げます/小山淳、入山章栄、松田修一、阿久津聡

 

 

 J2の藤枝MYFCの立ち上げに関わり、現在、2021年の天皇杯でJ1のサンフレッチェ広島を5-1で破るという衝撃的なジャイアントキリングを果たした地域リーグのおこしやす京都ACの経営にかかわる小山さんが、ブランディングベンチャー論、組織論といった企業経営の専門家とサッカークラブの経営について語られます。

 

 元々、小山さんは名門藤枝東高校でプレーをされて年代別の日本代表でもあったということですが、早稲田大学進学後にケガで選手としてのキャリアを断念したのち、日本サッカー協会の会長を志して、クラブ経営に関わられたということです。

 

 最初に手掛けられた地元の藤枝MYFCですが、親会社をもたず名門バルセロナFCのようなソシオに支えられる組織を志向してされており、主催試合のチケットやグッズ収入だけに頼るのではなく、選手を活用したアカデミー&スクール経営や保有する練習グラウンドを活用した合宿事業を手掛けて、自律的な収益をあげるというカタチをとられていて、選手をコスト視するのではなく、経営資源として見ているところが理想的な形態と言えそうです。

 

 JリーグでもJ2以下のカテゴリーやましてや地域リーグでは、なかなか自活というのは難しいようで、スポンサーだよりになってしまいがちですが、こういう不景気な状況になるとそういうビジネスモデルがリスクになってしまうという側面もあり、事業的には他のクラブでもマネができそうなところが多いので、是非是非こういう経営スタイルのクラブが増えて、より多くのサッカークラブと地域との結びつきが見たいところです。