2021、2022年とセ・リーグ連覇を果たしたヤクルトスワローズを率いる高津監督がチームマネジメントについて語られた本です。
2023年は主力の不振やケガなどもありＢクラスに沈む結果となりましたが、元々スワローズの球団幹部が長期的に安定して優勝争いができるチームを作るという意図があったということで、そのためのチーム作りに高津監督のＭＬＢでの経験がかなり役立っているところがあるようです。
高津監督がアメリカでプレーした際に大学のバスケットボールチームのヘッドコーチが、シーズンが終わった際に、ポジションごとにどういう選手がいるかというチャートを活用されていたことを参考にして、現在スワローズでも同様のチャートを監督室のホワイトボードに掲示されているということで、選手が不足しているポジションや、ポジションごとの年齢構成のバランスなど、全体像が見渡せるようになっていて、長期的なチーム構成を考える上でも「見える化」を実現しており、スワローズのバランスの良さの秘訣はそういうところにあるのか!?とうならされます。
そういうポジションごとの構成だけではなく、投手、野手ごとに柱となる選手の育成が計画的に行われているということで、バトンタッチもかなりスムーズに行われているようです。
どこかのチームのように、ＦＡで選手を強奪してきてチーム構成をするのも一つのテではあるとは思うのですが、やはりなかなか一体感を醸成するのは難しいところもあるでしょうし、それほど裕福ではないチームだとかなり長いスパンで考えてチームビルディングをしていく必要があるということで、かなり理想的なカタチを見出していると言えそうで、昨年は残念だったものの、今後も優勝争いに絡んでいくチームが期待できそうです。
