AIは人類を駆逐するのか?/太田裕朗

 

 

 ドローン関連スタートアップの株式会社ACSLの設立に関わられた科学者であり経営者、投資家でもある方がAIの「自律」の可能性について語られた本です。

 

 これまでも科学の進化とともに、身の回りのモノが「自動化」されてきたワケですが、あくまでも人間が目的やプロセスをデザインした上で、その過程を人の手を介さずに結果を出せるようにしたモノに過ぎないということです。

 

 AIがディープラーニングによる「自律学習」によって実現したことの「自動化」とは異なる画期的な点が、人間がデザインしていないプロセスもAIが自ら判断して目的に合致した動作を行うことができるということです。

 

 ただ、それだけでは完全に「自律」を成し遂げたワケではないようで、「目的」自体もAIが「自律」的に見出すことが、汎用AIの究極的なカタチだということで、いわゆるシンギュラリティの実現というのが、そういうところを指しているようです。

 

 ただ、AIが自ら目的を決めて動作するということになると、人間と敵対する可能性も出てくると言うことで、進化したAIと人間の利害が対立するということも研究の中では視野に入れられているということで、如何にしてそういうAIの「暴走」を防ぐための方法論を組み入れていくかということも、今後の研究課題になって行くようです。

 

 こんなのを見ていると、ホントに人間って遊民になるしかないのかも知れないと思ってしまいますね…(苦笑)