自分流/中野孝行

 

自分流 駅伝・帝京大の育成力

自分流 駅伝・帝京大の育成力

 

 

 ここ数年箱根駅伝においてコンスタントに上位に食い込んで一般的な注目にはならないものの駅伝ファンの間で話題になっている帝京大学を率いる中野監督の著書です。

 中野監督の就任以来、コンスタントに箱根駅伝を始めとする大学三大駅伝で成果を収めている帝京大学ですが、それでも高校生のスカウティングには苦労されているということで、なかなか高校時代にトップクラスの成績を収めた選手の入学にはつながっていないということなのですが、それでも常に大学三大駅伝で上位を占めている中野監督の手腕に徐々に注目が集まりつつあるようです。

 中野監督自身、国士舘大学で箱根も走られたということなのですが、指導者になられてから一度は会社の倒産、一度は廃部ということで2度チームの消滅の憂き目にあわれており、一時期は陸上の指導を離れて地方自治体の臨時職員をされていた時期もあったということです。

 そういった経歴を踏まえて帝京大学の指導者になられてからは「世界一諦めの悪いチームをつくる」というコンセプトの下で、隠れた素質を持ちながら高校時代に目立った成績はあげることができずに悔しさを持っている選手を中心にスカウティングをして、大学で才能を開花させるということで、駅伝通の間ではその手腕が「中野マジック」と言われるようになっているようです。

 どうしても優勝争いに目が行きがちですが、そういう経緯を知ると応援したくなりますし、中野監督自身100回大会での箱根制覇を虎視眈々と狙っているということで、そういう“雑草”的なチームがいつか箱根を制することがあればより、駅伝界全体が盛り上がることでしょうね!?