最早負けることが想像しにくくなっているラグビー大学選手権7連覇の帝京大学ラグビー部監督岩出さんの著書です。
ラグビー部監督の著書って、当たり前ですが基本的にはラグビーの話が中心なことが多いんですが、この本、あんまりラグビー自体の話って出てきません。
でも、そこに帝京大学の「強み」があるんだな、とナットクさせられます。
この本の中で岩出さんは、負けるのには自分に原因があって、勝つのには相手に原因があるからだ、とおっしゃいます。
だから相手との力関係があるので、自分のチカラだでは勝てないんですが、万全の備えをすれば「負けない」ことができるということです。
まずそのために必要なのは、自分をニュートラルな状態に置いておくだとおっしゃいます。
「勝ちたい」とチカラを入れるのではなく、「負けたらどうしよう」と怯えるのでもなく、試合に際して自然体の自分であることをよし、とします。
ちょっと禅問答チックで、ホントにこんな精神論的なことで勝てるのか?と思われる向きもあるかも知れませんが、岩出監督がスゴイのが、こういうココロの部分の準備を個人に依存するのではなく、組織としてシステマティックに動くように制度設計を行い、それを定着させて結果につなげていることでしょうか…
フツー大学の体育会っていうと、4年生は「神」で、下僕たる1年生がカイガイしくお世話をするという感じだと思うのですが、帝京大学ラグビー部では逆で、4年生が、環境になれない1年生がとりあえずラグビーに集中できるようにサポートするということです。
このまま帝京が勝ち続けるのもオモシロくない気もしますが、かといって早慶明といった伝統校がデカい顔をするのももっとオモシロくないので、今後とも頑張って欲しいモノです!