AIで私の仕事はなくなりますか?/田原総一朗

 

 

 ジャーナリストの田原さんがAIにかかわる人々にAIの活用に関する現状と将来の展望についてのインタビューをされた内容をまとめた本です。

 この本は講談社のWebマガジンである『クーリエ・ジャポン』の連載をまとめたものだということですが、インタビューをされているメンツがグーグルでAIの研究を中心的に行われているグーグル・ブレインの創始者トヨタのCTO、パナソニックで先進的な業務の企画を統括されている方などかなり豪華です。

 ただインタビューの対象がアメリカや中国などと比較してAIの取組が遅れているとされている日本人が大半なのと、個別の適用についての内容が多いので、タイトルに反して全体としての方向性の示唆という意味では希薄な感じがします。

 また気になったのが、三井住友フィナンシャルグループの幹部へのインタビューで、フィンテックの交流による金融業務全体への影響について、従来のビジネスモデルの恵三について、かなり強気の発言をされているのですが、そういう旧来のスキームへの固執と言う、日本全体を覆う空気がAIでの出遅れとなっているんじゃないかということを強く感じます。(その後、このインタビューとは真逆のリストラ計画を発表されていたりするのですが…)

 この本でも触れられているように、このままじゃ日本はアメリカや中国に先進企業の思うままにされてしまうのではないかと危惧を感じます…