実行力/橋下徹

 

 

 元大阪市長大阪府知事の橋下氏が、その経験を通じた「実行力」について語られます。

 特に大阪市大阪府のような大きな組織では、トップだからといって一人で何かを成し遂げられるワケも無いので、人と人とのつながりが重要になるのですが、その“つながり”を確固たるものにするのは「信頼」であり、それを勝ち得るためには「キッチリ仕事をやり遂げる」ということに尽きるとおっしゃっています。

 橋下さん自身、あまり他人とツルむキャラではないということで、日本維新の会の盟友である松井さんとも、あくまでも最初は、お互い自分の仕事をキッチリこなすという信頼感から関係性が構築されたと言います。

 そんな中で「大阪市役所をぶっ潰す」といって乗り込んだ大阪市役所においても、反橋下の急先鋒とも言える実力者を、仕事をしっかりとこなせるということから重要な地位に抜擢し、いくら反対意見を述べてもいいけど、橋下氏自身が決断を下したら、それに従って欲しい、という決め事だけは守らせるようにしたところ、そういった反対勢力との間でも信頼関係が醸成されたことを紹介されています。

 そういった基盤構築を経て、様々な改革を実行されていくワケですが、橋下氏は自身の役割を、方向性を示すことに限定して、細かい部分は有能な職員と対話を進めながら練り上げていくといき、ナットクが言った時点で実行は任せるといったスタンスだったようです。

 個人的にあまり橋下氏は好きなタイプではありませんでしたが、組織を動かすための機微は驚くばかりで、今更ながら惜しまれる気がしました。