久々に橘さんの本なのですが、何と今回は20歳代以下の若者をターゲットにしたと思われるバリバリの「自己啓発本」です。
若い女性をターゲットにした『専業主婦は2億円損をする』にもビックリさせられましたが、今回はホントに「自己啓発本」マナーで書かれていて、トピック自体は昨今の「自己啓発本」にありがちなモノではあるのですが、それだけで終わらせないのが橘さんならではです。
ここのところ『専業主婦は２億円損をする』を含めて、『幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』で提唱した、個人の「金融資本」「人的資本」「社会資本」をそれぞれの立ち位置に応じて、如何に幸福を最大化させるためにバランシングして行くかという議論をベースにした内容の本を何冊か出版されていますが、この本もそういった流れの一冊と言えます。
この本を読んでいて一番印象的だったのが、日本の労働生産性が低いことについて、「スペシャリストの仕事を素人がやっていること」だと一刀両断されているのですが、今後は個人が自分の好きなこと・得意なことに特化して、それを研ぎ澄ましていくことで、若くして多くの収入を得ることも可能だし、組織に頼らず生きていくことも多くなってくるということです。
ここのトピックは前述のように、どこかで見たモノが多いのですが、その構成だったり、論理展開だったり、例え話だったりが、膨大な知識の裏付けを否が応でも感じさせるモノで、オーソドックスなんですが、決してマネのできるモノではなさそうです。
大学生くらいから社会人5年目くらいまでの人の今後の人生の指針として是非とも手に取ってもらいたいモノです。
