セクシー女優としてブレイクし、今では文化人とも言われる壇蜜さんが“食”をテーマにして書かれたエッセイの連載をまとめた本です。
この方、セクシー女優としての活動が中心だった頃から、独特の陰影感を醸し出しつつも、どこかコミカルなところもあった印象があるのですが、そういったキャラ設定が文筆活動においても健在のようです。
ご本人曰く、特にグルメだとかいうワケではなく、キャラ設定から、そんなに高級な食材を食されていないとはおっしゃいますが、日常的な食材について、かなり深遠なこだわりを見せているところもあり、冒頭でおっしゃられている「食べるのが好き」かどうかはわからない的な言及に疑問を呈したくなる程、興味深い内容になっています。
しかも身近な食材、しかもコドモの頃になじみのあったモノについての言及が多いことから、懐かしがりながらも、あるある的な共感を感じるところが多々あります。
それにしても、この人の文才って、かつての大家の食に関するエッセイを思わせるほどで、多才さに驚嘆します。