食べ物に関するモノを中心に研究される、アメリカ的に言うと文化人類学者、ご自身はコチラを名乗られているヨーロッパ的に言うと民族学者(注:民俗学ではない!)の石毛さんが食べ物に関するモノを主としたエッセイを集めた本です。
食文化の研究をメインの研究フィールドとされる方だけあって、納豆や味噌、麺類といったなじみの深い食べ物の由来についての研究と言った身近で興味深いテーマについてのモノもあり、かつ梅棹忠夫、安藤百福、小松左京、司馬遼太郎という名だたる著名人との交流にも触れられているという盛りだくさんの内容となっています。
やはり興味をそそられるのが食文化についての内容であり、食文化というと大げさになってしまいますが、視聴率の実績はイマイチながらも隠れた名作の誉れ高い朝ドラ『ちりとてちん』に内容を踏まえた食に関するトピックと取り上げられたりと親しみ深いモノを多く取り上げられながら、しかも奈良時代から現代にいたるまで、世界中の食に関するトピックを広く取り上げられた深遠かつ、バラエティに富んだ興味深いエッセイ集となっています。