あなたのまわりの「高齢さん」/佐藤眞一

 

 

 高齢者の心理分析を専門とされている心理学者の方が高齢者の方のココロのうちを理解するための手掛かりを紹介された本です。

 

 ずっと以前は「高齢者」は「老人」とかなり重なる部分が多かったのですが、統計上「高齢者」にカテゴライズされる65歳の人たちは「老人」というイメージは希薄な人が多くなっているというのは大半の人が感じられていると思うのですが、それでも壮年の人たちと同様かというと、そういうワケではないということで、65歳以上の人を「孝霊さん」と呼ぼうと提唱されています。

 

 「高齢さん」に関してよく取り沙汰される、免許を返納しない理由や、あるあるサギにダマされやすい理由、暴走老人が発生しやすい理由などが、ありがちなケースを元に紹介されていて、ああ、ああいうリアクションはそう言うことだったのか、ということを理解する一端となると共に、ワタクシ自身もそう遠くない老境至るにあたって、気をつけておかないといけないなぁ、と思わされることも多々紹介されています。

 

 まあ、高齢者の心理的な特徴をつかむという意味では、割と有用な本と言えば、まあ、そうなのかな!?という気はしますが、やたらと専門的な用語にフォーカスされ過ぎていて読みづらいのがコマッたところで、もうちょっと編集の方が何とかしてあげられなかったのかなぁ、という気がしますが、著者の佐藤さんも最早「高齢さん」なんで、編集者にとっても扱いづらかったのかな…